バリアフリー住宅と聞くと、まず高齢者向けの住宅を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実際に高齢者向けの住宅として造られていることも多いです。しかし、住んでいる誰もが快適に暮らせるように工夫された設計もされています。今回は長く住み続けられるバリアフリー住宅について、どのような設備があるのかを解説します。
1.バリアフリーとユニバーサルデザインの違い
バリアフリー住宅とは、高齢者やケガによって十分に動けない方、また障がい者の方が不自由なく生活できる住宅のことをいいます。バリアフリーの「バリア」は、壁や障害といった意味があります。バリアフリーは段差を取り除くだけではなく、生活におけるすべての壁を取り除く意味を持ちます。駅や商業施設では「ユニバーサルデザイン」が取り入れられています。ユニバーサルデザインとは、誰でも使用できるという意味を持ちます。住宅で生活するための、誰もが住みやすい設計なら「バリアフリー」が最も利用されるデザインとなります。
2.代表的なバリアフリー設備
バリアフリー設備は、戸建ての住宅やマンションなどの集合住宅も同様に、さまざまな設備が取り入れられています。
2-1.玄関前の段差を取り除く
マンションなどの集合住宅に取り入れられている玄関前の段差を取り除いたものです。玄関前の段差を取り除くことによって、車椅子やベビーカーも簡単に通れるようになっています。また雨天で滑りやすくなった床に対応するため手すりが備え付けられていることが多いです。
2-2.フラットフロア
家庭内における事故の一つに転倒があります。小さな段差につまずいてしまい、大きなケガを負うことも少なくありません。そこで部屋にある段差を取り除いたフラットフロアを採用する住宅が増えました。段差のない室内であれば、転倒などの事故を未然に防ぎます。
2-3.浴室乾燥機
近年では当然のように取り付けられた浴室乾燥機ですが、これもバリアフリーとして大切なものです。浴室の温度差が原因で起こる「ヒートショック」を未然に防ぎます。特に寒い時期では、浴室乾燥機の利用で浴室を暖めることができます。
2-4.手すり付きトイレ
手すりが設置されたトイレは、足腰が弱くなった高齢者が安心して使用できます。しゃがんだり立ったりする動作には足の筋肉が必要です。この動きを補助するためにも、手すりを設置することで安心かつ安定した動作が行えます。
3.住宅で起こりやすい事故
本来であれば安心して生活できる住宅ですが、実は家庭内では多くの事故が発生しています。家庭内で起こる死亡事故は、交通事故の死亡数よりも多いとされています。2015年の家庭内事故の調査によると、交通事故死がおよそ5,700名なのに対し、家庭内事故死は1万4,000名にもおよぶ結果となりました。
住宅内で起こる不慮の事故の中には、家庭内での転倒や転落が多く報告されました。転倒や転落は、しっかりとした住宅設計によって未然に軽減できます。段差をなくし、手すりを取り付けるだけでも事故の軽減ができると考えられます。
また、リビングだけでも多くの事故が発生しています。リビングの床で滑って転倒してしまうケースや、段差につまずいて転倒するなど、転倒による事故が多発しています。リビングでの事故を防ぐためには、床材を滑りにくいものに変更し、段差プレートを使用するといったバリアフリー設備です。
生活者が転倒しないように心がけることが一番ですが、高齢者の方や足を十分に上げて普段から生活していない方にとっては、何らかの対策が必要です。
次に多いのは台所での事故とされています。コンロの火や熱い鍋などをひっくり返してしまい、やけどを負うことや、刃物による切り傷といった事故が発生します。コンロの火はガスコンロから「IHコンロ」に変更するだけでも、火による事故を防げます。
4.まとめ
普段何気なく生活している住宅ですが、歳を重ねることによって住みづらさを感じてしまうこともあります。普段生活している家にバリアフリー設備の設置や、新築であれば最初から老後を想像して家の設計を考えることが大切です。
「池田建築株式会社」では、家族が安心して生活できるように、安全な住宅づくりを行っています。バリアフリー設計による自然素材を使用した木造住宅やバリアフリーリフォームも承っております。愛知県春日井・名古屋エリアでバリアフリー住宅を検討している方は、ぜひ一度「池田建築株式会社」までお気軽にご相談ください。